巻頭言  あかんぼがいる     樋口孝徳

 『先日待望の第一子である長女を授けていただきました。予定日は、一月三十日だったのですが、陣痛が来たのかなと思って、病院に行って「まだですので、帰って下さい」という空振りを、二回経験しました。そんな時、会長である父から、「早く産まれるようにおさづけを取り次ぐ」と言われました。「希望の日があるか」と聞かれたので、「元気に産まれてくれるだけで十分です」と答えると、父は熱心におさづけを取り次いでくれました。

 それからしばらくした二月二日の夜九時ごろ、本陣痛が起こり病院に向かいました。深夜十二時ごろにから娩室に入り、二月三日朝五時ちょうどに元気な女の子を授けていただきました。「をびやゆるし」のおかげで、初産としてはとてもスムーズな出産で、母子ともに元気にさせていただいています。奇しくも二月三日は父の誕生日。あの時のおさづけは、無事に産まれてくるようにとお願いしてくれていたのと同時に、おじいちゃんの心通りの守護を見せていただいたありがたい日になりました。』

 引用したのは、和徳が書いた大教会機関誌「天明」の編集後記です。おかげさまで、女の子の孫を授かりました。いろいろと心づくししていただき、本当にありがとうございました。

 赤ちゃんが生まれる前に、「産気づいて病院に行くときは、夜中でもお父さんに知らせようか」と聞くので、「親に迷惑をかけないように」と釘を刺しておきましたが、二月三日の朝六時前に和徳から電話がかかってきたので、「これから病院に行くのか」と聞いたら、「無事女の子ができました」と言われ、「いつの間にや、何とじいちゃん孝行の孫か」と、びっくりしました。

 体重は、三千六百グラム。結和菜(ゆいな)と名付けました。ゴッドファーザー・ドン・タカノリーネです。

 今までの孫とは違い、一緒に住んでいると、愛おしさもひとしおです。と、一応言っておきます。

 にんけんもこ共かわいであろをがな 

   それをふもをてしやんしてくれ  (十四 34)

「這えば立て、立てば歩めの親心」とよく言いますが、人間をおつくり下さった神様の思いが、孫を見ていると余計に心に沁みます。その神様の思いを、忘れないようにしたいと思います。

 まだ目も見えないそうですが、声は聞こえているというので、彼女の耳元で、「おじいちゃんですよ。おじいちゃんを大事にしましょうね」と、今から洗脳しています。

 「じじい、臭い。あっちに行け」と言われないように、