今月のみなの長屋信仰談義

みなのながや信仰談義 六九 最終章 

   この信仰談義は教典を中心にした教理を、みなの長屋に住む長く天理教を信仰している物知り顔のご隠居さん、信仰しはじめの熊さん、無信仰の虎さんの三人の会話を通してできるだけ分かりやすく?したものです。

第十章  陽気ぐらし ⑦

推うに、親神が、教祖を月日のやしろとして現れ出でられるや、人間の陽気ぐらしを見て、共に楽しもうとの、人間世界創造の思召を告げ、専らたすけ一条の道を宣べて、たすけづとめを教え、又、いき・てをどりのさづけによつて、一れつたすけを急き込まれた。このたすけの理を明かそうと、元の理を説き、定めの人と所と時の立て合いによつて、この教を創めた所以を諭し、ここに、親神を天理王命とたたえて、祈念することを教えられた。

かくて、教祖が、教を宣べ、身を以てこれを証し、ひながたを示されたのも、親神の深い思わくのよるものであつて、正に、教祖ひながたは、道の生命である。

人は、先ず、身上や事情に手引きを頂き、親神を知る。そして更に、身上は、これ皆、親神のかしものなることを納得し、守護のあるところを悟り、ほこりを払い、心のふしんにつとめる。かくして進む成人の道すがらには、雨の日も風の日もある。しかし、その中に、日々たんのうの心を治め、又、ひのきしんに勇む。そして、治められた実真実は、自ら他に及び、一人の道は多くの人々の道となる。即ち、道の子はよふぼくを志し、さづけの理を頂いて、たすけ一条にいそしみ、天の理を取り次ぎ、道の先達となる。ここに、不思議なたすけの実が次々とあらわれ、魂は続々と更生されて行く。

かくて、我も人も共に和し、一手一つの心に、楽しみづくめの陽気ぐらしの世界が守護頂ける。それは、親神の望まれる真の平和世界であり、これぞ、この道の目標である。道の子は、存命のまま導かれる教祖に抱かれ、ひたすら、世界人類の平和と幸福を祈念しつつ、たすけの道に弥進む。

  このみちハどふゆう事にをもうかな

  このよをさめるしんぢつのみち

               (天理教教典96~97頁)

ご隠居 教典もいよいよ最後や。この節は、今までのまとめということやな。

虎さん 二ヵ月前も、そういってましたで。 

ご隠居 これは今までの全てのまとめということやから、これを解説すると、最初からもう一度しなけりゃならん。先月号は久し振りに休んで、最終回をどうするか熟考したが、この本文をしっかり読んでいただくということで、みなの長屋信仰談義は大団円を迎えることにする。

熊さん ご、ご隠居。二ヶ月の熟考の結果がそれでっか。

虎さん まあみなの長屋らしいといえば、らしいでんな。

そういうわけで、皆さん、長らくのご愛読ありがとうございました。またいつかお会いしましょう、さようなら。