詩の特集169

こんにちは、三名之川分教会です。久し振りの詩の特集です。

 

今、子供の受難が続いています。こんな小さな子供の声を忘れないようにしたいものです。

ママ     田中大輔(当時三歳)

あのねママ

ボクどうして生まれてきたのかしってる?

ボクね ママにあいたくて

うまれてきたんだよ

   人類最大の難問もこの一言で解決するのです。私達はみなあなたに会いたくて生まれてきたのです。

 

おとうちゃん大好き 

小沢たかゆき(当時小学一年生)

おとうちゃんは

カッコイイなぁ

ぼく おとうちゃんに 

にてるよね

大きくなると

もっとにてくる?

ぼくも

とうちゃんみたいに

はげるといいなぁ

   子供にとって親は最高です。その期待を裏切らないようにしたいものです。 

 

かぞく       山本 隆

おとうちゃんがおった

おかあちゃんがおった

おじいちゃんがおった

いもうともおったしぼくもおった

 

おかあちゃんがおる

おじいちゃんもおる

おばあちゃんもおる

いもうともおるしぼくもおる

みんなはいつまでおれっだろうか

ぼくはいつまでおれっだろうか

   そんな家族も、いつまでも永遠であるわけではありません。一人ずつ消えていくのです。

人間は、死なねばならないのです。だから次の詩が私たちの心を打ちます。

 

無題      八木重吉

死なねばならぬ

人間は

生きねばならない

生きねば

ならない

とにかく

生きねばならない

   人生にはいろいろなことが起こります。いいことばかりではありません。でもそれをどう受け取るかはその人の心次第なのです。

 

丁度よい    藤場美津留

お前はお前でちょうどよい

顔も体も名前も姓も

お前はそれは丁度よい

貧も食も親も子も息子の嫁もその孫も

それはお前に丁度よい

幸も・・・不幸も・・・喜びも・・・

悲しみさえも丁度よい

歩いたお前の人生は 悪くもなければ

良くもない

お前にとって丁度よい

地獄へいこうと極楽へいこうと

いったところが丁度よい

うぬぼれる要もなく卑下する要もなく

上もなければ下もない

死ぬ月日さえも丁度よい

お前はそれは丁度よい

   観光地で良寛作として売られていたそうですが、後にこの人の作とわかったそうです。 

   次はニューヨークリハビリセンターに落書きされた詩だそうです。

 

大事をなそうとして力を与えて欲しいと願ったのに

慎み深く従順であるようにと弱さを授かった

より偉大なことができるように健康を求めたのに

よりよきことができるようにと病弱を与えられた

幸せになろうとして富を求めたのに

賢明であるようにと弱さを授かった

世の人々の賞賛を得ようとして権力を求めたのに

謙遜であるようにと弱さを授かった

人生を享楽しようとあらゆるものを求めたのに

あらゆることを喜べるようにと生命を授かった

求めたものは一つとして与えられなかったが

願いはすべて聞き届けられた

もっとも小さきものであるにもかかわらず

心の中の言い表せない祈りはすべてかなえられた

私はあらゆる人の中で、もっとも豊かに祝福されたのだ

  

私たち人間は有限の存在です。いずれ消えていくのです。その有限の存在が無限のことを考えられるのです。そのことこそ、神様から私達人間に与えられた最高の贈り物なのだと私は思います。  

   

ブレークの詩の一節です。

一粒の砂に一つの世界を見

一輪の野の花に一つの天国を見る

手のひらに無限を乗せ

一瞬のうちに永遠を感じ