天理教の葬儀について


 このページでは天理教の葬儀について説明いたします。
 遷霊祭と告別式はほとんど違わないと思いますが、出直し当日や遷霊祭のあと、また旬日祭は教会によって異なるところもあるようですのであくまでも参考としてお考えいただき、詳しくは所属の会長さんにお尋ねください。

一、出直しと遷霊祭の意味
 
ある教会の遷霊祭での祭主のあいさつを参考にしました

 

 只今から遷霊祭を執り行わせていただきますが、何故遷霊祭と申し上げるかについて少し話をさせていただきます。

 人間は、魂と心と身体によって出来ています。生まれる時、この世界で、自分もそして他人も楽しく仲良く暮らすように、それを陽気ぐらしとお聞かせいただきますが、私たちそれぞれの魂に応じた心と身体をお与えいただきました。

しかし、いずれ借りている身体はお返ししなければなりません。私たちの教祖は、死ぬことを出直しとお聞かせいただき、「古い着物を脱いで、新しい着物を着るようなものやで」と、お教えいただきました。   

遷霊祭は、分かりやすくいえば、   様の魂を、出直された身体から、霊様として、こちらの霊社へ御うつしする儀式なのです。

ですから今晩は、皆様の参拝も、新しくお移りになられた霊社の方へしていただくことになります。

先ほども申し上げましたが、天理教では死ぬことを出直しと申し上げます。その言葉どおり、死とは、又新しくこの世に生まれ変わるための出直し、やりなおしなのです。そして死ぬ時は、生まれた時と同じように、魂以外は全てお返ししなければなりません。残念ながらどんな大金も、豪邸も、目に見えるものは一つも持っていけません。 

ただ、出直しの際に持っていけるものが一つだけあります。その人が生きている間、どれだけの人に喜んでもらったか、又自分がどれだけ喜んだか、その人を喜ばせた、自分が喜んだという徳だけを持っていけるのです。(  )さんは、皆様もご存知のようなお人柄でしたから、さぞやたくさんの徳を持って行かれる事と思います。

 

出直した時、身体は、長い間私たちの魂に着ていた着物ですから、古くなり弱ってきていますので神様にお礼を言ってお返しいたさねばなりません。

明日のお葬式には、皆様はご遺体の方へ参拝していただきます。

長い間お貸しいただいた神様へのお礼は勿論ですが、故人が自分達にしてくださった事や、懐かしい思い出を胸に湛えながら、最後のお別れをさせていただきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

葬儀の手引き(出直しから葬儀までについて説明します)

出直し当

亡くなられたら先ず教会へ連絡する。

喪主及び家族で決めること
   
天理教式でするか、それ以外か
   葬儀の日取り

 天理教式でしていただく場合は、その旨所属の会長さんに連絡。

以下のように葬儀の手配をする


 1.病院で出直された場合は、自宅に連れ帰り遺体の前にお供えをする。
 (お供えは、お神酒、米、野菜、魚等で会長に尋ねる。教会によっておつとめ等をするところもある)

 2.喪主及び隣組の人と葬儀の日取りの相談

  3.教会と遷霊祭及び告別式の祭官・樂人の人数の相談。
 (人数は必ず何人とは決まっていない。都会などでは樂人の代わりにテープでする場合もある)



遷霊祭当日

 
最近は葬儀屋さんが大半をしてくれるが、祭壇の御供え物、新霊様の御供え物の準備はこちらでする場合が多いので、準備の確認をしておくこと


 遷霊祭

 1、祭主・祭官入場

2.副祭主祓詞奏上
   祓詞を奏上のあと、霊璽、霊舎、玉串、祭主、参列者を祓うので
  参列者を祓うとき頭を下げる。
 3.祭主遷霊祭詞奏上
   これから霊璽にお遷りいただきたいと遷霊祭詞を奏上。
  その後、霊魂(みたまさま)を遷される。消灯になるので
  その間参列者は平伏していること。
 4.献饌
   お遷りいただいた霊舎に献饌をされる
 5.祭主玉串奉献・鎮霊祭詞奏上
   祭主がこの霊舎で心安らかにお鎮まり下さいと奏上。
 6、祭員列拝
   祭主以外の祭員が参拝する
 7.喪主・家族・参列者玉串奉献
   葬儀委員長・喪主から順に玉串をお遷しした霊舎の方へ献ずる。
  四拍手・拝礼・四拍手(最初の人が間違わないように)
 8.祭主・祭員退場

 9.そのあと十二下りのお歌を柩の前でつとめる教会も多いので、
  その場合は、近親者、残れる人はいっしょに唱和して故人を偲び、お慰めする。

告別式当日


 1.祭主・祭官入場
   頭を下げてお迎えする

 2.副祭主しのび詞奏上
   故人の一代記や信仰の経歴などを書いたのりとを副祭主が奏上する
   祭詞奏上の間その間参列者は平伏していること。
 
 3.祭主玉串奉献・告別祭詞奏上
   祭主が玉串を献じ、お別れののりとを奏上。
   祭詞奏上の間その間参列者は平伏していること。

 4.祭員列拝
   祭主以外の祭員が参拝する
 
 5.喪主・家族・参列者玉串奉献
   葬儀委員長・喪主から順に玉串をご遺体の前へ献ずる。
  四拍手・拝礼・四拍手(最初の人が間違わないように)
 
 6.祭主・祭員退場
   退場の前にお供え物を下げる場合もある。
 
 9.出棺
  火葬場へ向かう
  昔は葬列を組んで埋葬したので、柩の前に祭官が行ったが、
 最近は霊柩車が先頭になる場合が多い。

10.火葬場 
  祭主、火葬場で玉串奉献・火葬祭詞を奏上。
  参列者玉串奉献
  

11.十日祭(最近は兼ねて葬儀の夕方にする場合が多い)
 葬儀の当日、十日祭をする場合は、火葬場との関係や、後の食事との関係で場所によって時間が異なるので、時間を喪主・隣組の人とよく相談する。

12.納骨や旬日祭・五十日祭の日取りを決める。 

  旬日祭の計算の仕方は出直日を1日目とする。1日に亡くなった場合十日祭は、十日になり、以後十日づつ足していく。



納骨について

@    火葬されたお骨は、帰宅後、新霊様の前か横に安置する。

A    納骨の日を決め、墓石前に一旦安置してお供え〈数台程度でよい〉するので御供え物を準備。   納骨ののりとを奏上の上、納骨する。その場合よく骨壷を割った方がよいか、そのままが良い  か尋ねられるが、その地方の習慣に準じたらよい。

B    分骨をして、本部や大教会へ納める場合も多いが、そのまま分骨も納骨してもよい。

 

旬日祭

@    二十日、三十日、四十日、五十日と、それぞれ正式な当たり日にすることは、実際問題としてなかなか難しいので、日曜日にあわせたり、夜にしたりする場合もある。教会と相談して決める。四十日祭を行わない教会も多い。

A    旬日祭のお供えは、十日祭と同じ程度にする。家の神様・祖霊様も月次祭程度にお供えすることが望ましい。

B    旬日祭以外の日々のお供えは、4−5台程度(おみき、おこめ、やきもの、やさい、くだもの)に、めずらしいものや、故人の好物などがあればお供えする。

C    お灯明は終夜つけておくのが望ましいが、絶対ではない。

D    旬日祭のお参りについては、近隣の風習にまかせる。

 

五十日祭・合祀祭

@    五十日祭は、仏教で言う四十九日と同様で、実際の五十日目に近い日曜日など、みんなの寄りやすい日を、教会と相談する。

A    五十日祭を、他の旬日祭と同様につとめ、その後、合祀祭を行う。

B    合祀祭のため、祖霊社の前はお供えをしないで、横にお供え物を置いておく。合祀後、お供えをさせていただく。

 

百日祭・新霊祭

  教会によっては、百日祭、新霊祭〈あらみたま祭、初盆に行う〉を、行う場合もある。

 

これらは、筆者の所属の教会にお尋ねして作成したものですが、公式ではありませんのでご了承ください。
また、信者さんのお葬式を基準に考えてありますので、信者さんにわかりやすいように作成してありますのでその点ご留意ください。